総合芸能学院テアトルアカデミーに入学したら、どんな講義が受けられるの?
……読者の皆様には、そんな疑問をお持ちの方々も多いのではないでしょうか。
この「テアトルロード」では、テアトルアカデミーが擁する、第一線で活躍する一流講師陣の方々をお招きしてインタビューするという、週替わりの月間連載をやっています。
演技、YouTube、歌唱ときて、今週は「ダンス」の講師を務める青木サトミ先生の連載・第3回です。
青木先生には「親子で簡単! ステイホーム体操」と題して、ダンスに必要なさまざまな考え方を教えてもらっています。初回は「NiziUに学ぶケンケン運動の重要性」、第2回は「ダンスの表現力を高めるために、なぜ『体のやわらかさ』が大事なの?」というお話をしていただきました。
【動画あり】ステイホーム期間はNiziUで踊ろう! 親子でかんたんケンケン体操(講師:青木サトミ先生) | テアトルロード
【動画あり】「体がかたいと表現力の高いダンスはできない」!? おうち時間に取り入れたい3つのストレッチ(講師:青木サトミ先生)
第3回となる今回は、ダンスに必要な体の強さ、すなわち「体幹」の重要性について教えてもらおうと思います! それではいってみましょう!
※記事の内容は公開時点のものです
青木サトミ(あおき・さとみ)
東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校卒業。東京ディズニーシー、フライングパフォーマーとして出演。テアトルアカデミーのダンス講師歴は10年以上。踊る楽しさだけでなく、表現者としての体作り、心の在り方を伝えている。幼稚部から大人まで幅広く担当する。
「体の動きをきれいに見せる」意識
前回(第2回)は「ダンスがうまくなるためには体をやわらかくするのが大切」ということで、自宅でできるストレッチを教えていただきました。
そして青木先生からもうひとつ、カラダづくりで大切なことがある、ということでしたが……?
はい、それは「体幹」です!
第1回、NiziU『Make you happy』のダンス解説でも登場したキーワードですね。
いきなりちょっと脱線気味なんですが、私が日常の中で「ダンスをやっててよかったな」って思うことのひとつが、姿勢の良さなんですね。
たしかに、青木先生ってすごく姿勢がいいですよね。
お仕事の中でオーディションを見ることがよくあって、そこで「この子は姿勢がいいな、何かダンスをやってたのかな?」と思って聞くと、やっぱりバレエなどを長くやっていたというパターンは多いんです。
なるほど、パッと見てわかるものなんですね。
姿勢の良さは「人に見られることを意識できているかどうか」が表れる部分なんだと思います。体幹が大事というのは、そこにもつながっていますね。
大人向けの筋トレでも、体幹トレーニングは流行っていますよね。ダンスと体幹はどういうふうに関係しているんでしょう?
体幹がしっかりしていると、軸がブレないんですよ。体幹というのはまさに「体の幹」、体の内側の芯です。そこがしっかりしていれば、ダンスで動いたときにも、きれいな「線」を出すことができるんです。
たしかに、きれいなダンスって、よく見ると何かしらの「線」が見えてくるものが多いかもしれません。そのためにも、体幹が重要なんですね。
体幹の強さはふとした瞬間に出る
たとえばBTSなんかもそうだと思うんですが、K-POPの特に男性アイドルはピタッと止まるダンスがかっこいいなと思います。あれも、やっぱり「体幹がしっかりしている」ということなんでしょうか?
まさにそうですね。彼らはアイドルといいつつ、もはやほぼダンサーです(笑)。ターンをしたりその後にパッと止まったり、そういうふとした瞬間に体幹の強さが出ます。ひとつひとつの身のこなしをきれいに見せるには、欠かせないものです。
ちなみに「ダンサーっぽさ」って、どういうところに現れるんでしょう?
たとえば元AKB48の大島優子さんなんかを想像してもらえるとわかりやすいかもしれません。振り切っている/思い切りがあるとか、全部がパッキパキに決まる動きをするというのが、「ダンサーっぽい」の要素だと思います。
今のIZ*ONE(アイズワン)のメンバーには日本人が3人いますよね。さくらちゃん(宮脇咲良)なんかもどんどん上手くなっているんだけど、まだ少しアイドルっぽい動きが残っているというか……。逆に同じIZ*ONEだとチェヨンちゃん(イ・チェヨン)はすごく細かなところまで動けていて、見せ方の意識も高いし、すごくダンサーっぽいですね。
なるほど、そんな視点で見てらっしゃるんですね……! たしかに素人でも「この人はダンスが上手だな」と思うのは、そういうちょっとした動きによるのかも。
軸がないと動きが流れてしまうんですよ。ダンスのジャンルによっても違いますが、ジャズダンスやバレエは特に、「体の軸から動きを伸ばしていく」イメージなので、その基準が崩れていると、踊っていても締まった感じには見えなくなってしまいますね。
ただ、ちょっと余談になっちゃいますけど、「ダンサーっぽい」ということがすべてのケースにおいて最上というわけではないんですね。レッスンで見ていても、「この子は上手だけどアーティストとしては真ん中に立つよりはバックダンサーっぽいな」とか、「この子はちょっと下手だけど何か味があるから、センターとしても成り立つ見せ方にしようか」とか、そういう個性の違いはありますね。
そのあたりはめちゃくちゃ面白そうなお話ですが、深入りすると本筋から外れすぎちゃうので戻させていただきますと……(笑)、体幹が強い=体の内側に芯がある、ということは、いわゆる“バキバキに割れた腹筋”みたいな筋肉とは違うんですよね?
ええ、ガチガチの筋肉ではなくて、柔らかいバネのようなイメージですね。
そうなると、普通の筋トレでは鍛えるのが難しそうです……。
大丈夫です、楽しく鍛える体操があります!
ええっ!? ……というと大げさですが、これは動画にできそうな内容ですね、ありがとうございます(笑)。
好きな歌に合わせて動こう!
2種類やっていきましょう。まず、まっすぐ立って両手を上に上げ、交互に膝を上げ、右手で右膝、左手で左膝にタッチします。このとき、触っていないほうの腕を曲げないこと、頭の位置を変えないことに注意してください。
シンプルな動きですが、気を抜くと前かがみになってしまいます……。
上から何かに引っ張られているイメージでやってみてくださいね。
それが体の軸をつくるわけですね。
2つ目は横の動きです。膝を上に上げるのではなく、股関節を開いて横向きに上げます。先ほどと同じように、右手で右膝、左手で左膝にタッチします。この動きのほうが体がブレやすいので、自分の中にまっすぐ串が刺さっているイメージをしっかりキープしてください。では、実際にやってみましょう!
よろしくお願いします!
ありがとうございました。ちなみに、こういう体操を楽しく続けるコツってあるんでしょうか?
音楽って、基本的に8カウントのリズムなんです。だから童謡でもそれこそ『Make you happy』でも、好きな歌に合わせて体操できるんですよ。ぜひ親子でやってみてほしいです! 案外、大人のほうができないかもしれませんよ(笑)。
というわけで今回は、青木先生に楽しく体幹を鍛える方法について教えていただきました。好きな曲をかけて、歌いながらやってみるしかありません!(本気)
さてさて、次回はどんなお話が飛び出すのでしょうか? 前回第2回の記事で青木先生から「ストレッチは毎日やるのが大事」というお話もありましたので、ストレッチや体幹トレーニングを毎日しながら(笑)、楽しみにお待ちください!
文・取材・編集=テアトルロード編集部/撮影=荒川潤