【Q&A】子供のタレント活動、親に負担は求められる?――素朴な疑問にテアトルのスタッフが回答

連載コラム

 

 このコーナーは、テアトルロードに読者から寄せられた質問に、テアトルアカデミーの社員スタッフの方々が回答していくコーナーです。

 さて、その最初となる今回は……まだお便りが届いていないので(!)、テアトルロード編集部が独自に質問を作成して、スタッフの方に回答いただきました。
 今回、まず質問に答えてくださるのは、主にオーディションの開催などに関わる「新人開発事業部」の酒匂宏治(さこう・こうじ)さん。現代の芸能界が求める様々な個性を見つけ、人材を発掘するためのチームをご担当されています。 

※記事の内容は公開時点のものです

酒匂宏治(さこう・こうじ)イメージ写真

酒匂宏治(さこう・こうじ)

新人開発事業部・次長

「新人開発事業部」にてオーディションの開催等に関わる。趣味は日々励んでいる筋トレ。また、リアル(?)「孤独のグルメ」です。

 そんな彼に聞いてみたのは、子役をめぐる親の側の気になる事情―― 一体、どんな回答が返ってきたのでしょうか?

回答コメント(酒匂宏治・新人開発事業部 次長)

 こちらは保護者の方々から、しばしば聞かれる質問です。気になる方も多いのではないでしょうか。

 まず最初に、この質問にお答えする私自身の立場を、ご説明しますね。
 テアトルアカデミーには、「見つけて・育てて・売り込む」というモットーがあります。才能あるタレントを売り込むだけでなく、新人から見つけて、その才能を育てるところから手掛けるという、まさにテアトルアカデミーの特徴を表す言葉です。
 新人たちは主に運営部が担当するレッスンで「育てて」、営業部がマネージャーとして様々な仕事へと「売り込む」のですが……そのまさに始まりとなる「見つける」という部分に、私たちの「新人開発事業部」の仕事があります。

 そういう仕事ですから、こういうお話をすることは確かに多いです。
 ただ、結論から言うと――特にテアトルアカデミーという会社として、なにか親御様にご負担を強いるということは「原則的には」ありません。

 子役の親について、ドラマの世界に出てくるような「ステージママ」と言われるような姿を思い浮かべる方が多いようです。仕事の現場で、お母さんがマネージャーとして付き添って、せわしなく動いているようなイメージですね。
 しかし、実際の現場では基本的に弊社のスタッフがコントロールをしており、そういう面での大きな負担はありません。また、各家庭ごとに学業との両立の部分など、方針は様々です。そういう部分でも弊社から具体的に強いていくことは行っていません。

「お子様と一緒に芸能活動を楽しんでほしい」

 ただ、こういう原則がありながらも、いくつかご協力をお願いする場面があるのも事実です。

 例えば、お子様の体調管理。
 やはり、弊社の代表として出演していただくのですから、スケジュールに穴を開けないように、お子様の体調はできるかぎり整えてあげていただきたく思います。むろん小さなお子様の体調管理が難しいのは重々承知です。そういう場合でも、早めにマネージャーと連携していただければ、会社として対処することが可能です。

 また、やはり年齢の低い――小学生の頃くらいまででしょうか――お子様には、撮影現場などへの保護者様1名の同伴は必要です。現場で何か負担を特に求めるわけではないのですが、その部分でのご協力はいただきたく思います。

 正直なところ、特にお願いしているのはそのくらいで、やはり決して多くはありません。その上であえて私から一つお勧めしたいことを挙げるならば――「ぜひお子様と一緒に芸能活動を楽しんでいただきたい」ということです。
 保護者の方からは、しばしば、テアトルアカデミーでの活動を通じて、「子供に自主性が身についた」「クラブ活動にも自信を持って臨めるようになった」という声を聞きます。卒業生からも「プレゼンテーション能力がついた」「進学のときに経験が活かされた」などの感謝の声をいただくこともあります。
 自分の子供が芸能を行うというのは、一般の方には体験できない貴重な経験です。その素敵な思い出をお子様と一緒に楽しみ、学校とはまた違う形での成長を、ぜひ見守っていただけたらと思います。

お子様に表情を見せてあげてほしい

 とはいえ、保護者の方の中には「子供のため、親にも家でできるようなことはないか?」ということで、逆に興味をお持ちの方もいるのではないかと思います。
 そういう意味で一つ例を挙げると、最近、赤ちゃんの現場に立ち会うスタッフからとても興味深い話を聞きました。

 昨今のコロナ禍の情勢で、最近は収録現場などでも大人を始めとして、みなマスクを装着しており、なかなかお顔の表情が見えにくくなっています。
 そんな中で、不思議なことに収録中、赤ちゃんが相手を凝視したまま表情を見せてくれずに、撮影関係者たちが困ってしまう場面が増えているのだそうです。赤ちゃんをお世話する経験豊かな専門スタッフもいるのですが、最近は赤ちゃんの表情を引き出すのに苦労しているというのですね。

 推測するに、最近は周囲の大人がマスクを装着している時間が増える中で、赤ちゃんが相手の表情を読み取ったり、あるいは自分で表情を作り出したりする能力が育みにくくなってしまっているのではないか――ということだそうです。
 それは逆に言えば、赤ちゃんに親御さんがご家庭の中で表情や笑顔を沢山見せてあげることで、赤ちゃんの表情がどんどん豊かになるということでもあります。

 ちょっとした心がけのお話ではありますが、オーディションで赤ちゃんの写真を送っていただく際などにも、やはり表情は審査の参考になります。ぜひご家庭で、お子様に豊かな表情で話しかけてあげていただければと思います。(了)

【募集】質問はこちらから!

 テアトルアカデミーのHPには、入学後に用意されている様々なレッスンや仕事のお話が、かなり豊富に並んでいます。

https://www.theatre.co.jp/

 まずは、そうした情報をじっくり読んでみてください。その上で、公式情報だけでは見えづらい疑問が浮かんできたときには、ぜひこのコーナーに質問のお便りをお寄せください(※)。

質問のお便りは下記フォームよりお送りください。
https://forms.gle/EBSMraoGcH8Vi9AF9

 なかなか聞くことのできない、社員スタッフの声をお届けしたいと思います。

※全ての質問が取り上げられるわけではないことに、ご留意ください。また、質問の選定はテアトルロード編集部が責任を持って行っております。

取材・文・編集:テアトルロード編集部