YouTube動画の「編集」ってどうやるの?初心者が押さえておきたいポイント、おすすめ編集ソフトを専門家のあざっす先生が解説します!

連載コラム

 総合芸能学院テアトルアカデミーに入学したら、どんな講義が受けられるの?

 そんな疑問にお答えするべく、この「テアトルロード」では、テアトルアカデミー(以下、テアトル)が擁する一流講師陣の方々をお招きし、普段の講義の一端が垣間見えるような、講義連載をやっています。

 テアトルには「ダンス」「演技」「歌唱」など様々な表現にまつわる講座があるわけですが……なんと「YouTuber講座」もあるのです! 担当しているのは、数々のチャンネルを伸ばしてきた黒幕(?)であり、YouTubeマーケター/YouTubeアドバイザーのあざっすロナウド先生

 あざっす先生の連載初回は「YouTubeの始め方」、第2回は「YouTubeで伸びる人の特徴」、第3回では「ブランディング」、第4回では「機材の選び方」、第5回は「データの見方」について、それぞれお話を伺ってきました。

 そして第6回となる今回のテーマは「編集」です。YouTubeに動画をアップする上で避けて通れない映像編集について、基礎の基礎をまたも教えてもらおうと思います!それではさっそく、あざっす先生に聞いていきましょう。

あざっす ロナウドイメージ写真

あざっす ロナウド

YouTubeマーケター/YouTubeアドバイザー

チャンネル登録者8000人のチャンネルを、僅か1年で10万人に成長させた独自のYouTubeノウハウを展開。動画編集、企画分析、演者など多彩な才能を発揮する。 2019年よりテアトルアカデミーにてYouTuberコースの講師を担当。

動画編集と料理は同じって、一体どういうコト? 

よく色々なYouTuberが「編集が大事」って言うじゃないですか。実際、「いい編集」ってどんなものを指すのでしょうか?

僕の周囲では「編集と料理は同じ」説が唱えられています。

編集と料理は同じ……その心は?

YouTubeで無編集の動画をそのまま出しているっていうのは、飲食店に行ってキャベツを頼んだときに、いきなりひと玉のキャベツを「ドン!」と出されるのと同じことなんですよ。「いやいや、さすがにお店で出す料理としてそれはどうなの……?」となりませんか?

たしかに、「はい、キャベツです」ってことで、ひと玉「ドン!」と出されたら、「お、おう」とはなりそうです。

生のままでもいいけど、最低限、カットして出してほしいですよね。動画も同じことです。最低限カットされた動画は、料理でいうなら居酒屋のお通しで出されるキャベツの盛り合わせみたいなものです。

「カットしてない動画は、キャベツをまるごとお客さんに出すようなもの」とは言い得て妙?

ざっくり切って塩気を足しているだけでも「料理だな」という感じは受けます。

そうです。それだけでずいぶん見やすい動画になるんですよ。

「最低限のカット」といいますが、絶対削らなきゃいけないところと、残さなきゃいけないところがあると思うんですが、そこを見分ける方法ってあるんですか?

まずは「あー」とか「えー」とか言っている部分は、必要ないのでカットします。同じようなことを2回言ってるときは、片方をカットします。「最低限」はこのくらいのレベルですね。

そんなに難しい作業ではなさそうですね。では、絶対削ったらダメな部分は?

う〜〜〜ん。

ないんですか?

特にないですね(笑)。

なるほど、では質問を変えます。テレビ番組ならカットするだろうけど、YouTubeだと残しておいたほうがいいシーンってあるんじゃないかなと思うんですよ。

そうですね、それだったら「裏方とのやりとり」なんかは残しておいたほうがいいと思います。

たとえばヒカルさんの動画なら、動画撮影スタッフのまえっさんとのやりとりとか。

テレビってそういう裏方とのやりとりの部分はあんまり出さないじゃないですか。YouTuberはあえてそれを出して、皆でワイワイ楽しそうに撮影してることを伝えるような編集が多いですよね。

テレビだとあくびしてるところはNGになりそうだけど、YouTubeだと、横でめっちゃ人が作業してるのに、逆につまんなそうにあくびしちゃった、みたいな部分も「おいしい」シーンとして使っていたりしますよね。

そうですね。YouTubeは「人間味がある瞬間」を大事にした編集をしていると思います。

編集そのものがYouTuberの個性になる!

では、あざっす先生的に、編集が上手だなって思うYouTuberっていますか?

瀬戸弘司さんでしょうか。上手いというか綺麗というか。

ほう、それはどのあたりが?

高額な機材とか編集ソフトをしっかり使いこなしていて、全体的に綺麗な見た目になっています。YouTube的なクオリティでいえば最高レベルですね。

あとは、テレビのようなクオリティという意味なら「だいにぐるーぷ」が挙げられます。

テレビ顔負けの動画を出してますよね。

メンバーのひとりがテレビマンだったそうで、それもあってか高いクオリティですよね。

編集そのものが個性になっている人もいますよね。たとえば、「SUSHI RAMEN【Riku】」さんはやっていることも大掛かりですが、編集もかなり特徴的です。

視聴者にとって、そのYouTuberが作っているからこそ愛着が湧いて、信頼もされる編集ってあると思うんです。外部の編集マンに任せた動画は、いくらクオリティが高くても、視聴者からすると愛着が湧きづらいところがある。

ヒカキンさんもいまだに、ある程度は自分で編集をしているそうですしね。

ええ、なのでそういう部分は、チャンネルの個性としては持っておいたほうがいいですね。だからこそ編集に関してはまずは自分で試行錯誤してみる、というのも大事です。

大御所YouTuberには、今でも自ら編集に関わっている人は多いんだそうです。

動画編集のポイントで重要なのは?

なるほど、編集に必要な最低限の部分はわかってきたように思います。その上で、もう少し編集をがんばりたいと思ったときには、どんなポイントを押さえておくのがよいでしょうか?

BGMや効果音、動画の途中に入れるカットイン、テロップ、オープニング・エンディングとかですよね。このなかで言うと、オープニング・エンディングはぶっちゃけいらないんですよ。

凝ったものを作るとなると大変なわりに、あまり費用対効果がよくないイメージでしょうか。

ええ、そうですね。僕が思うに、最初にやるのは「カットインを入れてみる」というのがいいと思います。カットインがあるだけで、動画の起承転結がわかりやすくなる、歯切れがよくなるんです。

なるほど、つい「オープニング、エンディングは作ったほうがいいかな……」と考えちゃいそうですが、それよりもカットインのほうがいいと。ちなみにカットインって、ヒカキンさんの動画の「ブ〜ン、ブ〜ン」ってアニメが動くアレですか? たしかにあの部分があると動画のリズムがよくなりますし、チャンネルの個性を出せるポイントでもありますね。

そうです。とはいえ、ヒカキンさんみたいに凝ったアニメを使う必要はなく、簡単な画像に音を入れるくらいでOKです。

カットインがまずは重要だと。
では、次に「音」なのかなと思うのですが、たとえばBGMと効果音(SE=Sound Effect)の2つだったら、どっちが大事なんでしょう?

う〜ん……。悩むなぁ。悩みますわこれは。

BGMと効果音、どちらを優先させるべき? これは難しい質問……。

難しい質問をしてしまった。

(しばらく考えて)……BGMですね。効果音の方は究極なくてもいいです。
BGMのほうがなんで重要なのかというと、これがあるかないかだけで、動画の空気が全部変わるんですよ。僕は全部にBGM入れなくても、面白いところにだけBGMを添えたりします。ドッキリのネタバラシで、バラエティチックな音をちょろっと流すみたいな。あとは極論無音でもいいくらい。

そういえば前にCMクリエイターの人の話を聞いたときに、音のほうが映像より強いって言ってたんです。特に短い動画であればあるほどそうらしくて。たとえば、悲しいBGMを流していたら、笑ってる動画でも悲しく見えてきますもんね。

そういうことですね。だから、カットイン、BGMと来て、そのあとに効果音かな。たとえば、人の動作でズッコケてるときに入れる効果音とかですね。ただ、個人的にはそこまで優先しなくていいと思っています。

意外? テロップはそこまで重要じゃない説

カットイン、BGM、効果音ときて、テロップの優先順位はどうですか?

僕の中では優先度は一番低いですね。

おお。ちなみにテロップって、そもそもどういう効果を狙って出すものなんでしょう?

たとえば、画面の左上などに「今日のテーマ」を出せば、「今何を話しているか」が視聴者に伝わりやすいですよね。
とくに都市伝説や語り系の動画の人たちなどは、どうしても話が長くなってしまうから、視聴者にストレスを与えないためのサブテロップとしてタイトルを出している。

なるほど。

ほかにもグループYouTuberに顕著ですが、メンバーの個性を際立たせるために、会話のテロップをメンバーカラーにしていることが多いですね。
とはいえ、僕はテロップは必須ではないと思っています。

あざっす先生自身の経験則、「YouTube=テロップ」は先入観だった!

テロップよりは音のほうが重要ということですか。なんとなくYouTube=テロップみたいな先入観がありました。意外と逆だったんですね。どうしてあざっす先生はそう考えるようになったんです?

僕自身が最初は動画編集者だったんですよ。で、動画を実際に作ってみて、めちゃめちゃつらかったのがテロップなんですね。とくにフルテロップのときは……。しかも、手間をかけたわりには再生数が低かったりして……(遠い目)。

つらい記憶があるんですね……!!

まあ(苦笑)。僕がたくさん動画を編集していったときに、テロップは費用対効果があまり高くないということがわかってきたんです。
ただ、どんな場所でも動画が見やすくなるなどのメリットはありますね。ヒカルさんとかはフルテロップだったりするので、長い動画でもすごく見やすい。

電車の中や、実家住まいで同じ部屋にきょうだいがいる人なんかは、夜中にこっそり見やすくなるのもよさそうですね。

ええ、テロップにはそういうメリットもあります。まあ、ヒカルさんぐらい大規模なチャンネルだったらそこまでやってあげるのは視聴者に親切だとは思います。
ただ、初心者のうちはテロップを頑張るよりも、「カットイン、BGMをどんなものにして、どういうふうに使うのか」ということをしっかり考えてみるほうがいいと思いますよ。

知っておきたい、使って便利な編集ソフト!

最後に、編集ソフトについても教えてください! プロのYouTuberの編集作業動画を見ていると「Premiere Pro(プレミア プロ)」を使っている人が多いような。でも、なかなか初心者には手が出にくいお値段ですよね。「Premiere Pro」単体でも月額3,000円弱しますし。

まあプロレベルなら「Premiere Pro」は標準ですけど、最初は無料のスマホアプリでもいいと思います。「CapCut(キャップカット)」なんかはいいと思いますよ。

ああ、TikTokを見ているとウォーターマークがついた動画が出てきますね。

そうです。あれはいいですね。無料の割に、動きのあるアニメーションが作れたり、テロップ入れたり、画像の切り抜きもできるので。

「最初は無料アプリで十分!」と、あざっす先生も太鼓判。

「CapCut」あたりから始めてみて、もっといろんな機能が欲しくなったら「Premiere Pro」の有料ソフトを検討するとか?

そうですね。

ちなみに、それ以上を目指す場合に必要なソフトはあるのでしょうか?

ないですね、なんたって瀬戸さんも「Premiere Pro」なので。

説得力がすごい(笑)。

だから、「Premiere Pro」を使いこなせるようになったら中級者ですね。

ちなみに、「Adobe After Effects(アフターエフェクト)」を使った動画もたまに見かけますが、あんまり必要ないですか?

僕は使わないです。それこそ「After Effects」を使いこなせたら、編集の上級者だと言っていいんじゃないかなと思います。

なるほど。ちなみに、ソフトの使い方はどうやって勉強したらいいんですか?

それこそYouTubeに使い方講座がたくさんアップされているので、それをみて勉強してみるのがいいと思いますよ。

たしかに、YouTubeの作り方はYouTubeで学べばいいということですね(笑)。
あざっす先生、今回もありがとうございました。ではいつものごとく、動画でのまとめをお願いします!

了解です!

 というわけで、6回にわたってお届けしてきたあざっす先生の連載も、今回で最終回です。表現者としてカメラの前に立つ心構えから、具体的な機材の揃え方やデータ分析、編集の方法まで、いろいろなお話を伺ってきました。

 ぜひこの連載の内容を活用して、みなさんもYouTubeでの発信にチャレンジしてみていただけたら幸いです! それでは、また!

▼これまでに配信してきたあざっす先生の連載(全6回)はこちらへ。

文・取材・編集=テアトルロード編集部/撮影=荒川潤