インプレッションを制する者はYouTubeを制す!? YouTubeデータ分析のコツを、あざっすロナウド先生が徹底解説します!

連載コラム

 総合芸能学院テアトルアカデミーに入学したら、どんな講義が受けられるの?

 そんな疑問にお答えするべく、この「テアトルロード」では、テアトルアカデミー(以下、テアトル)が擁する一流講師陣の方々をお招きし、普段の講義の一端が垣間見えるような、講義連載をやっています。

 テアトルには「ダンス」「演技」「歌唱」など様々な表現にまつわる講座があるわけですが……なんと「YouTuber講座」もあるのです! 担当しているのは、数々のチャンネルを伸ばしてきた黒幕(?)であり、YouTubeマーケター/YouTubeアドバイザーのあざっすロナウド先生。

 あざっす先生の連載初回では「YouTube、何から始めればいいの?」という素朴な疑問をぶつけ、第2回では「YouTubeで伸びる人の特徴」、第3回では「ブランディングとはなにか?」、第4回では「機材の選び方」について、それぞれお話を伺ってきました。

【第1回】「YouTube、楽しそうだから始めてみたい!でも何からやればいいの!?」テアトルでYouTuber講座を担当する「あざっす先生」に、基礎の基礎を聞いてみた

【第2回】YouTubeチャンネル、伸びる人の特徴って何? YouTuber講師あざっす先生にコツを聞いてみました

【第3回】「かっこいい自分」のアピールよりも「素を出す」ことのほうが大事!? トップYouTuberたちの事例から学ぼう!

【第4回】YouTubeの機材って何から揃えればいいの? 数々のチャンネルを伸ばしてきた黒幕(?)・あざっすロナウド先生がおすすめ機材を紹介します!

 そして第5回となる今回のテーマは「YouTubeのデータの見方」です! 前回に続いてまたも実用的な記事になりました。それではさっそく、あざっす先生に聞いていきたいと思います!

あざっす ロナウドイメージ写真

あざっす ロナウド

YouTubeマーケター/YouTubeアドバイザー

チャンネル登録者8000人のチャンネルを、僅か1年で10万人に成長させた独自のYouTubeノウハウを展開。動画編集、企画分析、演者など多彩な才能を発揮する。 2019年よりテアトルアカデミーにてYouTuberコースの講師を担当。

「数字が大事」って言うけれど、ホントのところはどうなんですか?

「YouTuberは数字が大事」ってよく言いますよね。で、YouTubeを始めてみて、とりあえずデータが見れる「YouTube Studio」というダッシュボードがあることは認識しているけど、そこに表示されているデータの見方がわからない、なんで見なければいけないのかわからない……という人も多いのではないか、と思うんです。そこでまず、「YouTubeの数字を見る意味」を教えてほしいのですが。

「駄目だこいつ……」という表情を一瞬見せるあざっす先生

……(少し考えて)どうしてデータを見ることが大事なのかというと、チャンネルの強みと弱みがハッキリ出るんですよね。

ほうほう。

僕のスタンスは、いい動画を作り続けるよりは、悪い動画をなるべく作らないことを目指してるんです。たまに面白い動画でバズっても、そのあと、つまらない動画を出してしまって失速する、そしてまたまた偶然面白い動画でバズって……。これを繰り返してるチャンネルって、あまり成長しないんです。

たしかに、そんなチャンネルもありますね。

いわゆるPDCAサイクル(※1)を回して、上の図の土台になっている平均値をどんどん高くしていくのが理想ですね。だから、悪い動画をあぶり出して、それを作らないようにしようね、という。

※1 PDCAサイクル:Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の略。これを繰り返すことによってものごとを改善していく、生産技術における品質管理の手法。

つまり、コンスタントに一定のクオリティの動画を出すのがすごく大事なんですね。ムラのある作り方をするのはよくないと。

悪い動画で視聴者が離れてしまうなんて、もったいないですよね。

アナリティクスは、まず「インプレッション」をチェック!

では、YouTube Studioのアナリティクス(数字のデータのこと)を見るときに重要なポイントはズバリなんでしょうか!?

まずインプレッションには注目してほしいですね。インプレッションって何かっていうと、視聴者がYouTubeのアプリを開いたときに、トップページにいろんな動画のサムネイルがポンポン出てくるじゃないですか。そのサムネが表示された回数。それがインプレッションですね。

インプレッションが低いと、そもそも動画を観てもらう機会がない、自分の動画が露出されていないってことなので、まずはそこを上げなければならない。ですので、自分の動画がどのくらいYouTube全体にインプレッションされているかは確認したほうがいいですね。

インプレッションの数字を見ると、自分の動画の「推され具合」がわかる!

なるほど。そのインプレッションって、どんなふうな仕組みなんですか?

YouTubeが一番大事にしているのは、チャンネルごとの総再生時間です。

再生回数じゃなくて?

はい、総再生時間です。「どれだけのユーザーがそのチャンネルにとどまっているか」を重要視しています。総再生時間が多ければ多いほど、YouTubeのAIが「このチャンネルは質のいいコンテンツを出してるんだな」と判断してくれる。

なるほど。じゃあ、「インプレッションを制すものはYouTubeを制す」、ぐらいの感じなんですね。

そうです。YouTube側からしてみれば「このチャンネル、総再生時間がこんだけ長いんならいいコンテンツ出してるってことやな! せや! ここのインプレッションを増やしてあげれば、たくさんの人が見てくれてYouTubeの滞在時間が増えて、広告もたくさん表示できるから、推したろ!!」ということになるわけです。
総再生時間が多ければ、おのずとAIがインプレッションを増やしてくれる……この流れが綺麗だと、チャンネルが成長しやすいですね。

じゃあ、総再生時間はどうやって増やせばいいんでしょう?

総再生時間の増やし方で大事なのが、再生回数です。

おお、ここで再生回数が出てくるんですね。

総再生時間、インプレッション、再生回数。YouTubeはこの三角形で回ってるんですよ。どれか一つだけ重視してもダメなんです。

がっかり動画、サムネ詐欺、タイトル詐欺はやっちゃダメ!

ちなみに総再生時間には、「離脱率」も関わってきますか?

そうですね。離脱でよくあるのが、つまらないのはもちろんだけど、「思っていたのと違う」というパターンもダメですね。例えば、ちょっと前に文字だけ流れてくる動画がたくさんありましたよね。芸能人ゴシップ情報とかの。

あ~、ありましたね!

動画や画像を見れるのかなと思ったら文字だけで、がっかりして見るのをやめてしまいますよね。似たようなケースだと、アニメのネタバレを知りたいのに、人が話すパターンだったとか、そういうガッカリもあるでしょう。そういう動画は離脱率が高い場合が多いですね。そうすると、インプレッションでも推されにくくなっちゃいます。

じゃあ、サムネ詐欺とかタイトル詐欺みたいな動画はダメってことですね。最初は再生数が稼げたとしても、すぐ離脱してしまえば、結果的にYouTubeからの評価が下がってしまう。一瞬再生数は上がるけど、総再生時間にとってはマイナスになるんですね。

はい、そうです。そこがYouTubeの上手いところですよね。単純に再生数だけを見てるわけじゃないんです。

ガッカリ動画、タイトル詐欺、サムネ詐欺……。ダメ、ゼッタイ!

長い動画を面白くするためにはどうしたらいい?

総再生時間を伸ばせるような動画の作り方のコツってありますか? 例えば長い動画ばかりアップするとか。

もちろん、長い動画の方がいいとは思います。ですが、長い動画を面白く作り続けるのはすごく難しいので、これは個人の才能にかかってきちゃいます。

身も蓋もない結論に(笑)。初歩的な質問ですが、あざっす先生が考える「長い」動画って何分以上でしょうか?

あくまで僕の中ですが、10分以上の動画は「長い」と思いますね。

長い動画の代表格というと、ヒカルさんでしょうか。10分どころか30分以上の動画もザラですよね。

ヒカルさんはすごいですね。しかも全部テロップ入ってるから、どこでも視聴できる。例えば電車の中でも見れちゃうので、それは大きな強みですよね。

ただ、全テロップが正義で、それで総再生時間が伸びるのかっていうと、必ずしもそうではないんですよ。自分も以前はテロップ入れの作業をやったりしましたが、テロップを入れることと総再生時間の伸びは、そこまで関係がない。ヒカルさんの場合、ちゃんと動画の企画自体が面白いことも大きいと思います。

なるほど。「テロップは入れればいい」というわけでもないんですね。ちなみに、長く見られる面白い動画を出しているチャンネルの傾向ってありますか?

一人の動画は辛いですね。逆にグループYouTuberは強いので、できれば他の人を絡めることをオススメします。ヒカルさんもネクストステージだったり、宮迫さんやラファエルさんなどとのコラボも定期的にやってるじゃないですか。基本的に一人で撮影せずに誰かと一緒に撮る工夫が必要になるかなと。

総再生時間を増やすためには、動画の質を上げるのか動画の数を増やすのか、どちらがいいんでしょうか?

実はそれで言うと、優先すべきは圧倒的に「量」なんです。YouTubeのAIに「よいチャンネル」だと判断してもらうには、そもそも「コンスタントに動画を出してるよ!」という意思表示をし続けることが、前提として大事なんですよ。

うーん、なるほど。やっぱり毎日更新が理想だとは思うんですけど、会社員や学生だとそれも難しいじゃないですか。YouTube一本で生活していない人の更新頻度の目安も知りたいです。

最低週3回ですね。その中でも金土日は視聴回数が増えるので、3回のうちのどれかは週末にあげるのがベターだと思います。

「量より質」というわけでもなく、最初にはやっぱり「量」が来るみたいです。とはいえ低クオリティ動画を出し続けるのもよくなく、やっぱりバランスは大事ってことなんですね。

どうしても数字が増えない……そんなときは思い切りも大事!

いわゆる「リピート率」というか、バズった動画で登録者数が増えることも大事なのでしょうか?

チャンネルを運営する上では重要ですね。まずデータを見てそのチャンネルの強みと弱みを把握します。再生回数の多さで、視聴者にウケる動画は大まかにはわかるんですよ。でも逆に、数字の悪い動画の原因を探していくほうが大事です。たとえば大食いチャンネルなら、料理の大食いとスイーツの大食いを比較テストして、スイーツの数字が悪いならやめよう、というような判断をしますね。

どうやっても数字が伸びないときって絶対あると思うんです。そういうときはどうしたらいいのでしょう? もちろん「好きなことをやれば、数字なんて気にするな」って考えもあると思いますが。

数字は気にしてほしいですね。数字が悪いときって、だいたい動画自体に問題があるんです。

問題というと?

たいてい動画がつまらないんですよ。客観的にみてみると、「演者の喋りが弱い」「リアクションが弱い」「オチがつまらない」などの原因があるのかもしれない。そこは試行錯誤して解決してほしいですね。思い切ってジャンルを変えるのもひとつの手だと思います。

なるほど、今回は数字を見ることの大切さがわかりました。あざっす先生、ありがとうございました! ではいつものごとく、YouTuber感全開でのまとめをお願いします!

了解です!

 というわけで、今回もあざっす先生にYouTubeを伸ばすコツについて伺ってきました。YouTubeはインプレッション、再生回数、総再生時間、この3つの三角形がグルグル回っている、ということなんですね。ここを頭に置くだけでも、チャンネル運営の考え方が変わっていきそうです。そして次回のテーマは、YouTuberとは切っても切れない「編集」についてのお話です。お楽しみに!

文・取材・編集=テアトルロード編集部/撮影=荒川潤